私が取得したEAP心理カウンセラーの勉強で教えていただいたのは、1940年代にアメリカでロジャースという人が提唱した「来談者中心療法」です。
これは、非指示的なカウンセリングになります。
クライアントは患者ではありません。
なぜなら「何がその人を傷つけているか」「何が重大な問題なのか」「どんな経験が深く秘められているか」などを知っているのはクライアント自身であるからです。
なので、カウンセラーが治してあげるのではなく、クライアントが自ら意思決定を行い、問題解決に立ち向かうのです。
そのためにカウンセラーができることは、クライアントに積極的に関心を持ち、共感的に理解したクライアントの感情を断定的にならずに伝えること、クライアントの世界を理解し、そのままクライアントに伝えること、になります。
これが、なかなかに難しいことなんです。
自分の価値観がある中で、クライアントの価値観に合わせることを自己一致といいますが、それを得るためにたくさんの質問をします。そうやってクライアントの世界観を共有させてもらいます。
来談者中心療法では、クライアントを批判、非難、否定することはありえません。その代り許可、賛成、承認をすることもありません。ただ共感し、安心感を与えることでカタルシスを得ることができます。
そうすると、クライアントは自己開示ができ、不安や恐怖、怒りなどのエネルギーから解放され、問題解決の方向に流れていきます。
ここまでできれば一番いいのですが、これには時間がかかります。カウンセリングは1回で終わり、ではないのです。信頼関係を作りあげ、クライアントが自己開示でき、問題がなくなるまでにはせめて6回は必要です。(6回でも厳しいですが)
そのため、EAP心理カウンセリングでは、ブリーフセラピーとして6回ワンクールで行っています。